異常な学習
点をとらせるための勉強
最近の小学校の学習は、表面的なテスト対策が中心となっています。 じっくり単元の内容を深く理解する学習ではなく、ドリルやプリントなどの問題形式の学習ばかりです。
業者の単元テストには出題形式が全く同じで数値だけ違う模擬テストがあります。単元テストとセットで購入する先生が多く、単元テストの前に類題プリントと合わせて練習をさせています。
宿題や授業時間を使って、それこそ直前まで類題を解かせているのです。
異常な学習
テストとは、何がわかっていてわかっていないのかを判定するためのものです。だからテスト勉強をしないで実力で受けるのが正しいテストの受け方です。
それを先生主導で、力をつける為ではなく、ただ点数をとるやり方を子どもたちに仕込んでいるのです。
学力テストの前には過去問や対策問題を解かせて点数の底上げをする。
そんな卑怯なやり方でとった点数に何の意味があるのでしょう。
異常な学習です。
でも異常なやり方に慣れてしまうと、
「定期テスト対策 的中率抜群」といった塾のチラシに食いついてしまう親が出てくるのです。
中学生たちも、
「育●社の●ワークから同じ問題が出た。」
「○○塾のテスト対策はよく当たる。」
そんなくだらない情報を集めてテキストや塾を選んでいるのです。
「勉強」が「テストに出る問題を事前に何度もやって覚える」 という、とてもくだらない代物になってしまっているのです。
教育委員会主導で
県ごとの全国学力テストのランキングが出されるようになり、おかしくなったのは学校だけではありません。
教育委員会のHPをみると、学力テストの対策で類題を作って配布している、県内の学校にやるように働きかけている事例もうかがえます。
本来の実力を測ろうという趣旨から完全に逸脱しています。
それを教育委員会が主導しているのですから、校長先生はそのプレッシャーを受け、現場の先生にプレッシャーをかけ、先生は子どもたちに目先の点数をあげる類題を大量に解かせる。
そういう流れがあるのでしょうね。
学力テストに関して、「事前に問題を生徒に解かせた」 「そっくりな問題を事前に授業で行った」「事前にテスト問題を見せた」 といったニュースが後を絶たないのは、そうしたプレッシャーと学校現場での異常な学習方法が「普通」になっているからなのでしょう。